テレビのない生活

そういえばテレビを持っていない。

大学院生のころは部屋に備え付けのテレビがあった時期もあるが、購入したことがない家電の一つだ。

大学入学以前はテレビと言えば必須のコンテンツだと思っていたが、どうやらそうでもないらしい、というのがここ数年の見解だ。
 

 

大学進学時に住み始めた学生寮の部屋では、備え付けの家具はタンスのみだった。

共用スペースに電子レンジや洗濯機はあるが、それ以上を求めるならば買うしかない。
具体的には、冷暖房やテレビ、冷蔵庫などの文化的家電製品のことである。

当時、テレビのない生活を経験したのは初めてだった。
一応、食堂にテレビがあるが食事時間のみしか視聴できず制約が強い。
食堂は夜9時までなので、金曜ロードショーなどは必然視聴できない。
そのため部屋にテレビを所有しているという寮生も少なくなかったが、私はテレビを所有していなかった。

確かに入寮直後は味気ない感覚があったが時が経つにつれテレビを欲する感覚が薄れてしまった。
要するに購入する機会を失ってしまったとも言える。

 

 

テレビの代わりとなったのがインターネットの世界である。
生協のカタログで新入生用に販売されていたノートPCで広大な電子の世界へと旅立っていったのだった。

このとき購入したPCが初めてのものだった。

プログラミングにのめり込む……などという展開には至らず、youtubeに興じていた。

インターネット徘徊を覚えた時期であった。
実用的なことと言えば、タイピングゲームで遊んだことくらいかもしれない。
回転寿司を模したタイピング問題が次々と流れてくる形式のゲームである。
このゲームを通して、キーボードの扱いを学んでいったといっても過言ではない。
非常に教育的なゲームで大変感謝している。
タイピングゲームの他には、数独まとめサイト、自己分析にはまっていた。

 

 

たまに実家に帰ったときはテレビを見るが、やはり騒がしいなあという印象を受ける。
しかしながら、テレビの良い面としては、いろんな情報を吸収できるところだと思う。
ニュースを見れば、いろんな分野の情報が発信されており、知見が広がる気がする。
あれほどランダムに情報を取り込めるツールはなかなかないように思える。

一方、ネットで集める情報は自分の検索キーワードに強く依存してしまう。
得られる情報が偏り、悪い場合は情報そのものを誤認識してしまうこともあるだろう。
それが、ネットの弱いところかなあと思いつつ、今日もこうしてテレビのない生活を継続している。