ドライアイスと紅茶

寮生活で仲良くなった友人の話。

傍若無人ゴーイング・マイウェイといったような人で不思議と仲良くなった。

夏の暑い日はよく彼と過ごした日々を思い出す。

 

夏の暑いある夜のこと

夏の寮内は暑い。

特に大学2年生になってから使っていた部屋は西側の角部屋であり、夜でも熱がこもりやすいかった。

扇風機にあたりながら部屋でネットサーフィンしていると、友人のRさんが突然やってきた。

彼が突然現れるのは日常茶飯事であり、ノックなしに扉をいきなり開ける。

どうも風呂上がりにアイスを食べるらしい。
近所のコンビニかスーパーで仕入れてきたのだろうか、ドライアイスも持っているとのこと。

そのころ、RさんはポケットWiFiの契約が切れて、実質ネット回線が使えない状況だった。
スマートフォンを持っていたが、通信速度制限に引っかかるのは惜しい。
ということで私の部屋のネット回線を借りにくることがしばしばあったのだ。
今日もゲーム実況の続きを見る、というのが当時の暗黙の了解だった。

 

スパークリング紅茶を作ろう

アイスを食べ終わったRさん。
残ったドライアイスを手持ち無沙汰にしていた。
とろろ昆布に含まれるヨウ素とお米のデンプンを使って食堂で嬉しそうにヨウ素デンプン反応を楽しむような人だ。
ドライアイスを有効活用したいらしい。

…数分後

ドライアイスを使って炭酸飲料を作ることに決めた様子だ。
ついでに温かいものにドライアイスを突っ込んで一気に蒸発させる方が派手なので、そういう絵も見たいとのこと。

もちろんターゲットは私の部屋にあるもの。

ティーバッグの紅茶が選ばれ、部屋主の私にスパークリング紅茶を振舞ってくれるらしい…!

ドライアイスを派手に蒸発させたいだけだろう)と思いつつ渋々、お湯を沸かし、マグカップに紅茶を準備していると、ドライアイスで冷えるから大丈夫とRさん。

さすがに机の上でぶっ放すのは危ないと判断したので、入口近傍の玄関スペースにマグカップを移動させる。

そして、Rさんがマグカップドライアイスを入れた。

すごい勢いで白い煙がモコモコと溢れてくる。
あっという間に玄関スペースの床が煙に覆われて、うち履きが全然見えない状態になった。

いつも使っているマグカップから煙があふれるのはなかなかショッキングな光景だ。
それにしても机の上でやらなくて良かった。

 

5分ほど経過しただろうか。
あふれてくる煙が収まった。

それにしてもなかなか面白い光景を見ることができた。

スパークリング紅茶も無事にできたところなので、Rさんに飲むよう勧められる。

少し口に含んでみると、ぬるい。常温だ。
かすかに炭酸の泡立つ気配が感じられる。

紅茶のような飲み物を片手にゲーム実況を見て過ごした夜だった。

 

まとめ

寮生活で仲良くなった友人とドライアイスで遊んだ話をまとめた。

最も多くの時間を共に過ごした友人であり、最も影響を受けた人物のようにも思える。

たまにはドライアイスで遊んでみるのもいいかもしれない。