お昼ご飯の話
駒場に通っていた当時、経済的な息苦しさが続いていた。
家庭の経済事情のため大学進学を断念しようと考えていた時期があったが、そのときの申し訳なさから何となくお金を使うことに対して強く抑制がかかってしまう。
朝と夜ご飯は寮で支給されるため非常にありがたい。
朝夜合わせて、1日600円くらい。
あらかじめ予定表に丸印を入れておいた日数分だけ月末に一括で徴収される。
逆に言えば、予定表が空欄の場合、支給されない。
朝と夜は寮でご飯をいただけるが、昼は大学近傍で済ますことになる。
できる限り昼ごはんに経費を割きたくないと考えていた。
食堂では300円くらいで簡素なカレーを食べることができる。
具の提供に関してほとんど見込みがないようなちょっと残念なカレーだ。
毎日このカレーというのも好ましくない。
しかし、カレー以外となれば、なんだかんだで500円くらいの出費が必要になる。
さらに、昼の食堂の込み具合は尋常ではない。
食堂で食べる以外に、生協で食品を買うという選択肢もあった。
100円の菓子パンx2+税金(5%)の210円セット。
私はこれに行きついた。
菓子パン生活
コッペパン、メロンパンにはかなり助けられた。
いろんな味があり、その日の気分で選択できるのが良い。
一つ目のパンを食べきった後、二つ目のパンを食べるという方針ではなく、
両方を同時進行で食べる方針をとっていた。
パンを交互に食べる姿を見た友人に不思議な食べ方だと称されたこともあったが気にしない、気にしない。
お昼時は生協も非常に混雑するが、いったん外に出てしまえば好きな場所で食べることができる。
キャンパス内にはところどころベンチがあり、そこに腰を下ろして昼食をとる。
外でパンを食べていると、たまに知らない人に声をかけられることがある。
そういう人たちは十中八九、宗教の勧誘を目的としている。
大学生風の格好をしているが、恐らく守衛さんの目を誤魔化すための工夫であり、実際は大学生ではないだろう。
こういうトラップに気を付けたい。
冬の寒い時期には外で食べるのはしんどいので、講義室で食べる。
このような菓子パン生活をしていたため「春のパン祭り」の時期にシールがよくたまったものだ。
シールの台紙3枚分くらいを一度に生協の人に渡して驚かれつつお皿をもらったのはいい思い出だ。
まあ、寮では調理器具を寮生が使用できなかったのでお皿がたくさんあってもしょうがない。
冷凍ピラフなどを電子レンジで調理のにお皿は一枚あれば事足りるため、Rさんや他の寮生に提供していた。
当時は飲み物をどうしていたのかあまり記憶がないが、今と同様にペットボトルに水道水を入れるなどしていたのかもしれない。
まとめ
駒場に通っていた当時、資金不足のため菓子パン生活に努めていた。
今にして考えてみればなかなか険しい食生活だった。
大学院生あたりになったころから昼食代に関する抑圧はほとんどなくなった。
まあ、結果的に体調が悪くならなくてよかったが、バランスの良い食生活を。