学生寮では食堂で朝食と夕食が提供されるものの、平日の昼食と日曜日の食事は自分で済ませる必要がある。
平日の昼食は学食で済ませることができるが、日曜日の食料調達は寮生共通の問題だった。
そういうわけで100円ローソンやセブンイレブン、松屋、インドカレー屋にかなりお世話になっていた。(たぶん他の寮生も同じような生態系だったと思う)
さて、本郷キャンパスに通うようになったころ、まいばすけっとなるイオン系列のスーパーが寮の近所にオープンした。以前から一応、寮の近くにもスーパーがあったのだが、まいばすけっとが距離的に一番近い。
そんなわけでよく通うお店の一つになった。菓子パンやカップラーメン、チョコ菓子の調達先としてよく活用していた。
また、金曜日の夜などはお風呂上りにふらりと来店し、アイスやお酒を購入することもしばしばあったものだ。
よく通うお店だと、何となく店員さんの顔ぶれを覚えてくる。
特に会話することはないのだが、顔なじみになってくるとちょっとした信頼関係になるものだ。まあ、一方的なのかもしれないのだが。
さて、まいばすけっと店員さんの中で「女神」と個人的に称していた推しの女性店員さんがいた。
つややかな黒髪と垂れ目が特徴的で、いわゆる清楚な雰囲気の方だった。
身長は150cm台くらいで細すぎでも太くもない少し丸みを帯びた感じで、温厚そうな笑顔と声が非常に好印象だった。週2回くらいの頻度で通っていたが、女神さんをよく見かけたものだ。
何となく向こうもこちらのことを認識してくれていそうではあったものの、結局、顧客対応以外のやり取りが発生することはなかった。
学生寮から引っ越して以降は一度も来店していないが、今頃、女神さんもどこかで働いているのだろう。勇気を出して意思疎通を試みてもよかったのかもしれないなあと時々振り返ることがある淡い思い出だ。